2002年芸術の秋編


 芸術の秋という表現がありますが、今回は四国のエフエム愛媛で毎月曜日深夜3時から放送している「サウンド・ビレッジ・ミュージシャン烈伝」という番組に出演して頂いた方達の取材も兼ねたご報告をいたします。

秋吉敏子さんのコンサート

 10月初旬には山梨県都留市にある「うぐいすホール」にてジWャズ・ピアニスト秋吉敏子さんのコンサートが朋友、高谷秀司のプロデュースで行われました。彼女はソロ・コンサートで日本中をツアーしてる最中。
 ピアノのソロ・コンサートということだったのに、主催者(女性)の御挨拶のあと少々の間、秋吉さんがピアノを弾く前に高谷と大家でアコースティック・ギター演奏を奏でるという恐ろしいオーダーが待っていました。と今考えれば何とも無い話ですが、その時はジャズ界の重鎮に失礼が無いようにと、いつになく気を使ってしまった。なんせ僕らのデュオはマイクも使わないピアノの前振りとしてはにぎやかすぎる。でもその時は謙虚にスーツにネクタイのいでたちで、しずしずとインストナンバーを3曲演奏した。
 その後は秋吉さんの演奏。ソロ・ピアノというのでしっとりとしたバラードがメインかと思いきや、左手で難解な変拍子を弾きながらメロディアスなメロディーを右手で繰り出してくる!そりゃぁ見事なピアノさばきでした。お年を召しているにも関わらずピアノのタッチも大胆で素晴しかった。
 秋吉さんのトークと相まってコンサートは大成功の内に終わった。その後一緒に打ち上げ会場へ行く事になり、ジャズ・マンばかり住んでいるというアパートメン塔gのお話やらニューヨークでの自宅にあるワインセラーのコレクションが3,000本にも及ぶ事とかを日本酒を前に楽しそうに語ってくれた。ごきげんに酒をくみかわしていたのにも関わらず。「もう帰りましょう」の一言でさっと帰えってしまうという感覚も芸術家という形容詞がピッタリの秋吉さんだった。
 いつまでも飲んで、翌日二日酔いになってしまう僕とは雲泥の差を感じないではいられない夜だった。
 


杉本喜代さんのコンサート

 千葉県のトケという町にサルデグラというライブ・ホールがあり、そこで高谷とアコースティック・ギター・デュオを演奏した。当日はジャズ・ギタリスト杉本喜代志さんのトリオ演奏とのジョイント・ライブが10月後半にあった。
 杉本さんとはここ3年くらいの知り合いになるが、相変わらず杉本さんのギターは歌いまくっていた。新作CIRCULATIONの中からのナンバーとスタンダードが中心。そしてこの日のドラマーは当社のフレストラン部長小山田隆だ。彼のジャズ・ドラミングも料理同様気合いが入ってました。
 この日は杉本さんがレコードが擦り切れるくらい聴いていたというグラント・グリーンのNo.1 Green Streetという曲が特に印象に残った。
 打ち上げは杉本さんの長いキャリアの中でも初期のころの山下けいじろうさんの楽屋話で盛上がった。若い頃は落ち着きのある杉本さんですらケンカしたそうだ。
 このホールでの演奏はヒビノの宮本さんというPA界では超大物エンジニアの方に我々の音を録音していただいた。その作品は今まで我々デュオが出そうとしても出なかっチた音空間が出来上がっていた。この録音だけでも大満足な1日だった。


山口武さんのコンサート

 11月半ばにはサウンド・ビレッジで音響管理をしている身延町文化会館ホールにて、ギタリスト山口武さんとのお約束事、昨年石和の「やくじゃん」という焼肉屋さんで一緒に酒を酌み交わした事が縁で実現しオた、、ベース・ロン・カーター、ドラムス・ルイス・ナッシュというトリオのコンサートのコーディネーターを務めた。
 日本公演の初日という事でニューヨークからお招きした方達が予定どうり来てくれるか否かが一番の心配だったが、無事到着。会社からロンのためにSWRのレッドh・ヘッドというアンプを用意したがアコースティックベースには大きすぎるかもしれないと思い小振りのSWRもナウマスから借りていった。
 案の定ロンさんは小振りなアンプを選ぶ。山口さんのギターの音量はそれほど大きくはないが(ポリトーンでボリューム2くらい)ロンさんにそれでも大きいと言われるとの事。ドラムのルイスさんも静かな音でしたね。ロンさんルイスさんはPAのモニターも要らないなんて言ってた。ニューヨークのライブハウスでは当たり前の音量であくまでアコースティックを追求しているらしい。
 リハの前ステージ上で僕がウロチョロ高オてるとロンさんが近寄ってきてタバコをくれって言ってきた。楽屋ロビーで少々の立ち話をする。思ったより神経質では無いというのが一番嬉しかった。12年前のニューヨークのスィート・ベイジルで写真を撮ってもらった時もフランクだったもんな。
 今回は僕が演奏する訳でもないのにライトが入る前ひどく緊張した。終止ノリノリの演奏で御客様も御満足な様子。トラブルも無く演奏終了。
 やはり2次回へとなる訳ですがロンさんルイスさんは長旅の疲れに備えフロントやロビーも無い、ビジネスホテル市川にて休息(彼らがビジネスホテルに泊まるのは超異例の事らしい)
 僕らと山口夫妻ロンさんのマネージャーのキヨコさんはノリノリで2次回を過ごし、山口夫妻とは3次回3時まで飲み明かした。翌日はロンさんルイスさんマネージャーのキヨコさんを当社のビレッジ号に乗ってもらい新幹線新富士駅までお送りした。車中ではニューヨークでのロンさんのライフスタイルや絶頂期のマイルスの元を離れた理由など聞かせてもらった。彼らにもう一度山中湖でのMt.Fuji Jazz Festivalでの演奏、再開を期待して駅までお送りした。残念な事にデジタル・カメラの電池切れで一緒での記念撮影はNG。12年前にスイートベxイジルで写真撮ってあるからまあよいか?
See You Again Mr. Bass Man.