2002年NAMMShow への遥か遠い道---No2

 バンクーバーからロス行きの飛行機のチェックインを待つ間サンドイッチを食べたりコーヒーを飲んだりして時間をやり過ごした。高谷はというと携帯電話で乗り遅れたための時間調整をしていた。勿論H.I.Sにクレームを入れまくってコンピューター上では乗れるはずと一点ばりのH.I.S側の説明に対して現実をみろと言わんばかりに会社の体質の問題まで触れていたな。待つ事3.5時間やっとの思いで、飛行機に乗り込む。耳に違和感を覚えだんだん飛行機の高度が下がってきた頃橙々に輝くロスの街の明かりが見えてきた。こりゃ大きな街というのが印象に残る。関東平野がすっぽり入る広さというのもうなずける。空港に降り立って荷物を取りに行くともう何のチェックもなく、勝手に人の荷物を取って行ったとしてもすんなり泥棒が成立するようなセキュリティも無い状況だった。ここまでがとても厳しかったため拍子抜けした。旅行会社のお迎えがいて高谷はひとしきりクレームを車中でいれ続け、やっとの思いでダウンタウンにあるメキシコ調のホテルに到着。
 
 早速竹田和夫さんがその夜ライブをしているお店にタクシーで駆け付けた。その夜はいつになく客足が遅かったみたいだけど12時頃には日本人のお客さんというか音楽仲間も増えていた。セッションディと言う事でお店の常連とも一緒に演奏を楽しんだ。竹田さんはますますウェスモンゴメリーばりのBE-BOPのフレーズに磨きがかかっている。洋子ちゃんは終止笑顔でブルースハープも話しもノリノリの楽しい夜だった。
 
 翌日はいよいよアナハイムコンベンションセンターで行われるNAMM ショーへ向かう。8時くらいに起き11時には現地へ到着予定。タクシーを使うと勿体ないと思いバスの460というのに乗ってみた。ところが直行で行かないバスのようで、高速道路に乗っては降りる事のくり返しでロスのいたる所に立ち寄る。
 最初は高谷とオレの二人しか乗らなかった。それにデズニーランドに遊びに行くような人も全くいない。だんだん現地に住んでる人達が乗ってくる。男女の黒人二人が仕事用の掃除道具を持ち込んで乗ってきた。なんか男が説教してるみたいで人の事を気にせずでかい声でまくしたてている。あまりに早口なのでよく聞取れず、映画の1シーンのようでもあった。
 また車椅子の人達も気軽な感じで乗車してくる。車椅子に対応できるバスの構造で、運転手も手慣れた感じで車椅子が動かないようにセットをする。日本も見習うべきと思った。1時間経っても終点に着かず、さすがに心配になって乗り合わせた隣の若い黒人女性にアナハイムはまだですかと聞いた。そうしたらそんな遠いところ行った事ないという返事。その方面行きのバスに乗ってるじゃんと思ったけどネ。そしたらスーツを着た白人男性があと1時間はかかると言う。オレ達もう到着してないといけない時間なのにと高谷は困ってる。バスの運転手にタクシーひろって行ったらどうかと相談しても、ここからだと一緒だと言ってきた。しょうがないから腹をくくって乗るかという事で40分くらい乗ってたら、やっと終点。スーツの男性に着いたよと言われた。それでバス代払おうとしてたら、券がどうだとかああだとか?こっちは本気で?マーク!どうやら最初に支払わなければいけなかったようでヒッチハイクみたいに只になっちゃった。タクシーだったら80ドルくらいかかっただろう。
 バスを降りてコンベンションセンター向かおうとしてるのだが、右手にディズニーの乗り物は見えるけど一向に建物は見えない。道行く人に訪ねると3ブロック先の右にあるという。でもねこの3ブロックというのがとてつもなく長い。1kmぐらい重いギター持って歩かなければならない。特に高谷のギブソンCL-45はケースに入ってると重いね。オベーションは音色はイマイチだけど、軽さという意味ではピカイチだ。それと二人のアコギ用プリアンプやCD、楽譜などの荷物が入れてあるコロ付きのスーツケースをひっぱってる様はそうそう日本じゃ拝めない感じ。2ブロック歩いて、コンビニらしき所があってそこでコーヒー牛乳を買う。オッと楽器業界らしいロック系のオニぃさんを発見。訪ねたらポール・リード・スミスの関係者で親切にもコンベンション・センター入り口まで案内してくれた。
 このコンベンションセンターもこれまた大きい!
入り口からイベントブースまで300mは歩いた感じ。そこから地下の入り口にエスカレーターで降りる。そこから先はというと・・・
 
あらら!セクシーな金髪のオネェさんのいるブースがあったり、素晴しい手行製ギターの陳列ブースがいっぱいあったり、オレの好みの世界じゃない!この広さじゃ、
ちょっとずつ見てまわるだけでも2日間はかかるだろう。それらを眺めながら田口ブースにようやく到着した。
あれぇ〜タグチ・ブースの前にはスタジオモニターではかなり知られているフィンランドのGENELEC社のブースがでんと構えてる。
 ひょっとしてビクタースタジオの方々がサウンドビレッジの音楽神社祭りへ招待して一緒に飲みまくったサンタのような風貌のマルチカイネン社長はいるのかなと思ったら、いらっしゃるじゃないですか、スーツ着てるけどヒゲとメガネのサンタのような人が。思わず抱き合って挨拶してしまった。
 
 その後、ロスへ来たら会いたかった人、ビクタースタジオが山中湖にできてから一番お世話になった人、Dスタジオをみんなの反対を押し退けてピンクに塗ってくれたサンダーベース・マン中平エージさんがひょっこりと目の前に現れた。何の連絡もしてなかったのに何という巡り合わせ!こりゃさい先良いぜ・・・と言う事でまたまた次回に持ち越しです。