2002年NAMMShow への遥か遠い道---No1


 1月中旬。アメリカはロス・アンジェルス近郊のアナハイムというところでNAMMショウという恒例のイベントが行われた。

世界中の楽器メーカーがこぞって出店するイベントにいつも私達を応援して下さってる、田口製作所のブースが出店する事になった。今回はそのスピーカーをアピールする演奏をということでアコースティック・デュオの相棒高谷と出かける事にあいなった・・・

 今回は成田の第2ターミナルに5時に待ち合わせ。でもオレが山中湖のビレッジを出たのは1時半。電車を利用した場合、東京発4時のスカイライナーに乗らないと間に合わない。大月からJRの特急あずさにに乗れたとしても、たぶん間に合わない。そこで河口湖発の中央高速バスを使う事を思いついた。電話予約で都留で乗る(2時20分)。このバスが渋滞にもあわず、うまく新宿に3時35分に到着。今からギターとバッグを引っ張って電車に乗るの嫌だなと思いながら西口、京王デパート前の横断歩道を渡ったところにリムジンバスが見える。その発券所が目に入り、受け付けで成田到着予定所要時間見たら1時間30分と書いてある。因みにバスはいつ出ますかと聞けば、そのバスがそうです。とくれば乗るしかない。てな訳で成田着4時50分という離れ業をやってのけ、約束には至ってうるさい高谷との時間に間に合った。

 AIR CANADAに荷物を預けようとしたけどZと言われていたAIR CANADAらしきカウンターはない、あるのはANAだけだ。第2ターミナルを荷物両手に一周したけどやはりANA。おそるおそる聞くとチェックイン・カウンターはここなんだって。ギターをフラジャイルでお願いします、と丁重に預け高谷と会う。今回は第2ターミナルのため二人の行き着けの寿司屋「京樽」はない。と言う訳で別の寿司屋で一杯やる。オレは飛行機嫌いだからなるだけ飲んでから乗るようにしてます。取り敢えず乗り換えのバンクーバーまでは8時間で着くらしい。焼酎を持ち込み、飲んだ勢いで二人でベラベラと喋ってた。その際客室乗務員の何やら持ち込みのお酒飲んじゃダメというような目線を感じた。4時間後、右前方の20代くらいの若い日本女性から静かにとの注意を受ける。ところが高谷の喋りは止まない。その20分後にもう一度「年がいも無い事やってるんじゃネェ」とキメの一発をもらい。シュンとなって寝た振りをしてる内にバンクーバーに着陸。その後一端出国し、荷物を受け取り、別の飛行機でロスに乗り継がなければならなかった。

 ところが出国手続きは予想を上回るラッシュ。そいで英語もまともに話せないのにもかかわらず、フレンチで話し掛けて来る。飛行機は10時20分到着手続き11時40分完了。走って荷物を受け取りアメリカ行きのチェック・イン・カウンターに向かった。ところが・・・もう11時55分の飛行機には乗れないんだとの冷たい一言。敢え無く乗り遅れた。そこで次ぎの飛行機はというと3時30分発という。ここは大人になって文句を言わず。(高谷は執拗に食い下がっていましたが・・・)さあロス行きの出国手続をとカードを見せたらNGだ。書き直してカウンターまで辿り着くと再度書類不備もう一度仕切り直し。やはり旅先にはペンの一つも持ってなきゃダメだったかと反省。その間40分。高谷はすんなりと通過していったのに・・・

 アレッ!空港内でのカナダを出国の際、金いるみたいだ。またまた困った日本のお金しか持ってないもん。カードでOKと聞くと乗り換えにお金いりませんと言われ、やれ一安心。その後テロの影響でいつになく厳重な身体検査を受けたり、我々のCDだらけの荷物は細部にいたってチェックされた。ゲートを出るとやっとタバコが吸える休憩所があった。10時間振りの一服を吸ってから高谷を探す。とっくに奴は出てるはずなのにどこにも姿は見当たらない。20分くらいしてやっとの遭遇。彼もオレを探してたのかと思ったらとんでもない!怪しい風貌故か二重、三重に取り調べを受けてたらしい。「ギター持って何しにアメリカ行くの」と聞かれ、ただ演奏するだけだといったら鼻で笑われたとの事。やっとの思いで出発する飛行機のゲート前ロビーでひと休み。この先、チケットを渡し飛行機に乗り込む通路でもう一度高谷のボディチェックが待ち受けた。本当に厳しいがこれも皆のためだからしょうがないか・・・続く